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野糞のすすめ(自然界の食物連鎖)

◇◆野糞のすすめ(自然界の食物連鎖)◆◇

 なんだか時代に逆行するような不衛生なタイトルですが、
長い間いろいろな自然に親しんでいると、植物をはじめ昆虫や動物、
さらには微生物までもが、ある一定の条件の基で複雑に絡み合い、
絶妙なバランスで連鎖していることに気が付きます。

 先日、動物写真家として有名な『宮崎学』氏とお会いする機会があり、
当然のごとく話は「自然」のことになってしまいましたが、氏は食物連鎖
の観点で私と共通する認識を持っておられ、深く感銘を受けましたので、
その一端を紹介します。

◆生物の頂点に君臨する人間?
  とんでもない思い違いで、人間も地球上ではすべての生命体の
 一員に過ぎません。生物は生きている限り「摂取」と「排泄」の
 繰り返しで、生きるためには何らかの形で植物や動物など、
 生きているものを殺して摂取する(食べる)必要がある訳で、
 言わば、
 「食ったり食われたり」の食物連鎖が成り立っていなければなりません。
  ところが、人間を殺して直接食べる生物は通常思い当たりませんから、
 人間は連鎖の環から例外的に外れていると思い込んでいるふしがあるのです。

◆人間を食べる生物
  そんなものある訳ないよ!と思われるかもしれませんが、実は
 人間の死体や排泄物を待ち望んでいる生物が存在します。
  それは、地球上の生物の中で一番数が多い「地中微生物」なのであります。
 (健康な土壌では、小サジ一杯の土壌中に約一億もいる)
  正常な食物連鎖をごく簡単に書くと、
 「植物」…「昆虫」…「鳥」…「獣」…「人間」…「微生物」…「植物」
  のような環となってバランスよく保たれていなければならない。

◆火葬と水洗トイレ
  近代社会では、死体を埋葬する場合に火葬を行うのが一般的だ。
 だがしかし、
 これでは人間の死体を地中微生物に食べてもらうことができません。
 人間の排泄物が水洗トイレで処理されてしまった場合も同様です。
  理想論で言えば、人間の埋葬は草木の茂る野辺の墓地に土葬し、
 糞は健康な土壌の表土付近に埋めるのが最も良いのであるが、
 現実ではほとんど不可能である。
  汲み取り式トイレだって、その糞尿を田畑に「肥」として使わないかぎり
 同じ事です。

◆人間が他の生物に与えるもの
  ここまで読んでいただいた方は、人間が本来行わなければならない行為の
 一部が欠落していることにお気付きのことと思います。
  人間はあらゆるものを摂取はするが、適正に排泄していないのであります。
  つまり、文明社会の人類はここ数十年間のあいだに、死体どころか糞までも
 提供していない状況が続いており、このことは正常な食物連鎖を阻害している
 ことにほかならないのであります。
 (幸いなことに、人間以外の死体は土壌で分解されることが多い)
  なんだかおかしいぞ!と思われるかもしれませんが、私たちの体や糞尿を
 喜んで食べて(分解して)くれる微生物のおかげで野山や森林が健康な環境を
 保てるのであって、今の状況が長く続けば、急速な破壊は起こらないにしろ
 徐々にその影響が出てくることは容易に想像がつく。

◆そこでお願い
  自然に親しみ、キャンプやハイキングなどに出かけた時、常識のゆるせる
 範囲で結構ですから「野糞」をして下さい。
  ただし、その場所は腐葉土が堆積した健康な土壌に限ります。それと必ず
 上から土を被せて分解を促すようにしましょう。
  夏期の健康な土壌ならば、3日以内に跡形もなく分解されているはずです。
 後始末に使った紙は一緒に埋めず、持ち帰りましょう。(分解を阻害します)
 できれば、フキの葉や木の葉を使って・・・・・このへんでやめておきます。

投稿者 yamanohana : December 1, 2003 03:48 PM