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植物の繁殖とバランス

◇◆植物の繁殖とバランス◆◇

 植物が繁殖するメカニズムには色々ありますが、
 多くは種子によるものが圧倒的に多くて、
 一部のものを除くと発芽という別の固体として誕生してきます。
 そもそも植物が花を咲かすのは、種子を結ぶための一つの手段であって、
 受粉という大切な行為を第三者に介入してもらうための生態現象なんですね。

◆草の種子と木の種子
  私たちの身近にある草(草類)は、そのほとんどが花を咲かせ種子を結ぶ
 ことはご存知のとおりですが、木も同様にすべてのものが花を咲かせ、種子
 を結ぶことは意外と知られていません。
  木の花にはサクラやウメなどをはじめ、ツツジ、コブシ、バラ、ヤマブキなど、
 誰でも知っている目立つ花のほかに、ケヤキ、モミジ、ナラ、ヒノキなど、
 全く目立たない花もあって面白いものです。
  特に、木は根からの増殖ではなく、そのほとんどが種子によるものですから、
 すべての木に花が咲くのもうなずけますよね。

◆発芽しない種子(その1)
  総じて植物の種子はたくさんできます。これは発芽率の低さも関係して
 いますが、実は自然界の絶妙なバランスが大きく関与しているのです。
  たくさんの実をつけるバラやクリ、ブナなど、その木のまわりに実生苗
 がたくさん出来ないのは、ほとんどが動物などに食べられてしまうからです。
  仮に運良く発芽しても、親株が日照の妨げになって成長できないことが多く、
 異常な密度で繁殖することはありません。
  木の種子は親株から離れて、しかも成長の条件に合った場所に運ばれる
 必要がある訳で、このためには動物や風などが密接に係わっているのです。
  受粉の時もそうですが、せっかく種子を結んでも発芽にはやはり第三者の
 介入が不可欠なんて、なんだか可愛そうですね。

◆発芽しない種子(その2)
  親株のまわりに実生苗がたくさん生えない理由がもう一つあります。
 それは、種子に含まれる「発芽抑制物質」です。
  すべての木の実に含まれている訳ではありませんが、
 動物に食べてもらう種子に多く見られます。
 この「発芽抑制物質」は、果肉や種子殻の表面に含まれており
 動物の体内で分解されます。
 すなわち、
 動物に食べてもらうことによって抑制が解かれ発芽の条件が整うのです。
  ことに、鳥類のように種子を丸飲みにして排泄するような行為を期待して、
 植物が用意した絶妙なメカニズムと言えます。

◆人間は失格?
  植物の繁殖には人間も自然界の一員として深く係わっていることは事実だが、
 はたして、正常な関与だろうか?
  人間にとって都合のいい植物は大切に保護するが、いわゆる雑草や雑木を
 乱暴に駆逐してはいないか?
  自然界では通常ありえない外国からの植物や動物が、
 相互の国で帰化し合っているのも事実である。
  人間の存在そのものも自然のプログラムと言えばそれまでだが、私たちは
 今一度、謙虚にこの事の重大性を考えてみたいものです。

投稿者 yamanohana : January 1, 2004 03:56 PM