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カタクリの不思議

◇◆カタクリの不思議◆◇

 早春の花の代表格は何と言ってもカタクリですよね。
古くは、
傾籠(かたかご)とか堅香子(かたかご)などと呼ばれていたようですが、
どうして片栗(かたくり)になったのでしょうか?
 カタクリの根っこ(鱗茎)には良質のデンプンが含まれており、
これがいわゆる「片栗粉」なのでありますが、
皆さんはカタクリから摂った片栗粉を食べたことがありますか?
 現在市販されている片栗粉は、ほとんど全部が馬鈴薯(ジャガイモ)
のデンプンなのであります。
 昔は食用にされるほどカタクリが生えていたのでしょうか。

◆自生地が移動する?
  木曽谷北部のK村には、数ヶ所の群落があります。
 そのうち、村中心部のM山の麓に、一目数万株という大群落がありますが、
 不思議なことに毎年少しずつ北側へ移動しているのです。
 増殖して広がるのではなく、
 群落の南端・北端ともに北側へ移動しているように見えます。
 一体どういうことなのでしょうか?
 (私の観察では、ここ10年で50mも移動しました)
  周囲の樹木による日照条件か、あるいは温暖化による防衛策なのか
 とても興味深いものがあります。

◆カタクリの根っこは深い
  カタクリを試験的に鉢栽培してみました。
 地上部がすべて無くなる初夏〜夏、8号の深い植木鉢に根っこ(鱗茎)
 をひとつ、表土からごく浅い部分に埋めて、その年はやり過ごします。
  翌年の早春にちゃんと開花しましたので、花が終わり葉っぱが枯れて
 夏眠(カタクリは夏の間、地上部は無く鱗茎だけで過ごす)の頃、
 鉢をひっくり返してみたら、あら不思議・・・
  鱗茎は鉢底のネットにまで達していました。一体どうやって潜り込んだ
 のでしょうか?
  一般的に、植物の根っこ(特に球根)が地表に露出するしくみは
 容易に想像がつきますが、反対に潜り込む現象はどう説明すれば良い
 のでしょうか?
  地中の深い部分に新たな鱗茎が形成されたとしか思えませんよね。
 自生地での鱗茎の深さは、20cm〜30cmもあります。

◆カタクリの種子
  カタクリも他の植物同様に花後には結実して、種子は地表にこぼれる
 ように落ちてしまいます。一説によると、種子にはアリが好む甘味成分
 が含まれていて、アリはせっせと巣穴に運び込むんだそうです。
 巣穴に運ばれた種子のうち、条件の揃った種子が発芽するとか・・・
  ところが、実際に発芽した新芽を調べると、そんなに深いところから
 発芽している訳ではありません。巣穴から発芽するとしても、比較的
 浅い地中が好条件かもしれません。
  ちなみに、カタクリは発芽から開花まで10年ちかくもかかるようです。
 昔は片栗粉にするほどたくさんあったのでしょうか?今は貴重な植物として
 手厚く保護されていますが、私たちも大切にしていきたいものです。

◆◆本当の片栗粉
  そうは言っても、カタクリから作った本当の片栗粉を食べてみたいとは
 思いませんか?もしかしたら究極の食材かも・・・

投稿者 yamanohana : March 1, 2004 04:01 PM