« コマクサの不思議な生態 その1 | メイン | 気候を言い当てる旧暦 »

コマクサの不思議な生態 その2

◇◇コマクサの不思議な生態 その2◇◇

 高山植物は寒さに強いだろうと思われているかもしれませんが、
はたしてどうでしょうか?

◆高山植物とは?
  高山植物の定義として明確なものはありません。高山に生えて
 いれば高山植物と言えるのでしょうが、本州の日本アルプスに
 自生している「ハクサンチドリ」や「ミヤマオダマキ」などは、
 北海道の北部へ行くと海抜0メートル地帯で普通に見られます。

◆意外にも"寒がり"な高山植物
  ご存知のとおり、高山植物が生えている場所は年間平均気温が
 平地に比べてかなり低く、逆に言えば、そういう条件でなければ
 高山植物は育たない訳ですが、重要なのは夏の生育期に気温が低い
 ということであって、厳冬期に気温や地温が低すぎると、高山植物
 とはいえ生育は非常に困難になります。

◆高山は冬暖かい?
  高山帯では、早い年で9月下旬に初冠雪を迎えます。根雪に
 なるのはもう少し後になりますが、いずれにしても低地に比べ
 ると、秋から一足飛びで冬を迎えることになります。
  つまり、低地のように「空凍み」の時期が短く、いきなり
 雪に覆われてしまうため、低温の厳しい外気にさらされることなく、
 言わば自然の温室に守られると言う訳なんです。
  しかも、周りは雪ですから、湿度100パーセントの安定した
 環境が保たれて休眠できます。

◆コマクサの種子
  コマクサの種子は直径が約 0.5 mmで、艶のある黒い色を
 しています。種子を結ぶための受粉(交配)を媒介するのは
 「ウスバキチョウ」という高山蝶です。
  ところが、低地ではウスバキチョウはいません。それでも
 コマクサは自花受粉という手段で、ちゃんと結実します。
  コマクサの種子は素手で触ると極端に発芽率が低下します。
 なぜでしょうか?

◆コマクサは、やはり孤高の花か?
  夏の高温に弱く、冬の低温にも弱く、神経質で虚弱体質の
 ようなコマクサ。ほかの植物との混生を嫌い、仲間とも淘汰
 し合うコマクサ。
  それ故に、この花の気品が人々の心を惹きつけるのでしょうか。

投稿者 yamanohana : November 1, 2004 04:13 PM